社内ゾンビになりかけブログ

日系大手化学メーカーに1X年勤務し、ゾンビ化しつつある人

配属後しばらく③

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 入社時の配属部署には、東大・京大・ドクター卒が多かった。この神たちが、フラスコを操り、数gスケールのモノを作っては、その性能を毎月に発表会で意気揚々と報じていた。物性データ表を見ながら「これはすごいwww」「過去に類見な過ぎwww」などと盛り上がっていた。ブログ主も、その何となく賢そうな雰囲気に酔いしれていた。

 

 その部署の専門職の先輩社員たちは、論文の執筆を行ったり、国内外の学会で発表したりして、当時のブログ主にはとてもまぶしく見えた。自分も、そうなりたいと思った。

 

 一方で、研究所の他の部署では、Aチームの開発したものをBチームの開発品に使ってみる、Cチームで開発したものをDチームが評価してみる、という部署を超えた交流があったのに対し、ブログ主の配属部署だけはそういった交流が一切なかった。チーム内では輝いている先輩たちが、他の部署からはあまり注目されていないように見えた。研究しているモノが、部署内の「いいね!」で終わってしまい、そこから先に進んでいかないことも気にかかった。

 

 ブログ主の開発も、先に進めなかった。開発を進めるには既存プロセスに適合しなくてはいけない、場合によっては設備改造の投資をしなくてはいけない。そのためには、投資をきっちり回収できる、という絵を描かなくてはいけない。しかし、そのためには、材料として有用である、ということを示さなくてはいけないのだが、前にも述べた通り「それ何の役に立つの?」を川上研究のブログ主にはうまく説明できず、材料評価に進めてもらえなかったのだった。

 

 息苦しさを覚えるようになっていた。