社内ゾンビになりかけブログ

日系大手化学メーカーに1X年勤務し、ゾンビ化しつつある人

日系大手メーカーと退職エントリ

 ブログ主は日系大手メーカーに勤務する管理職である。

 ブログ主は5年くらい前まで、日系メーカーでこのまま安住していていいのか・・・と思い悩み、転職サイトに登録したことがある。

 言うて、それなりの有名大学を卒業し、大手メーカーで働き、英語と中国語で文章が読めるブログ主である。*1

 今の給料水準を維持したまま、もっとかっちょいいBtoCメーカーに行けたりしないかな?と考えていた・・・甘かった。紹介されたのは、マネージャー職であるが、今よりも規模が小さい会社で、給料も下がる、という案件である。

 エージェントにも「今のあなたは恵まれていますよ?今の会社に不満がないならそのまま勤務していればいいのでは?」などと、うっせーおめーに言われたくねえわ、ということを言われてしまい、返す言葉もなかった。自分は改めて会社の肩書をとったらただの中年でしかないことを思い知らされたわけである。

 そんなフラストレーションを抱えたブログ主は、入社3年程度の若者が綴る「退職エントリ」なるものをゲボ吐きそうになりながら興味深く拝見している。そして、探していたら弊社を退職したアホ若者が書いた退職エントリを見つけてしまった。

 入社3年目程度のペーペーが偉そうに日系メーカーは意思決定が遅いだの書いていて、おめーはたった3年で何が分かったんだよ?あ?ナメとんのかガキ、という気持ちになった。社畜歴が長くなると、当たり前になりすぎて見えなくなってしまっていた光景に改めて気づかせてもらい、目からウロコであった。

 ただ、日系メーカーに1X年勤めてきた立場から言わせてもらうと、下から見る世界はすごくシンプルで、解決できそうな課題が解決されないまま放置されているように見えるかもしれないが、自分がステップアップしていくと、以前見えていたほど簡単ではないことに気づかされるのである。

 例えば、赤字が続く事業があったとする。若手社員は「そんな事業やめてしまえ」と簡単に考えるかもしれない。しかし、事業活動というのは、社会や経済と強く結びついているので、自社が事業をやめると、製品が作れなくなる会社が出てくるかもしれない。*2また、取り潰される事業部門で働いていた人たちはどうなるだろうか。もちろん日系企業はクビにはしないけど配置転換は必要になる。もしその人が入社来3X年その事業に関する業務をやっていたとしたら、家を購入していたら、人生に影響を与えてしまうのである。若者は若者らしい無邪気さで「そんなん自己責任っしょwww」と思うだろうか。工場をつぶす場合、工場があった自治体への影響もある。工場がある前提で、街づくりが進められているケースが多いからである。

 若手社員は、良くも悪くも、ものごとの奥深さを知らない。表面的な課題だけではなく、課題にはいくつもの課題のツタが絡みついているのだ。そして、その課題のツタ一つ一つには人生がぶら下がっている。

 すなわち、わずか3年の勤務で会社の全て知ったように語る退職エントリの執筆者・・・本当にお疲れっした!!!

*1:会話ができるとは言わない

*2:BCP準備してなかったのが悪いというガキがいるかもしれないけど、日本企業の9割以上は中小企業なにに、そんな余力あると思う?