社内ゾンビになりかけブログ

日系大手化学メーカーに1X年勤務し、ゾンビ化しつつある人

配属後しばらく②

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 違和感を感じ始めたのは入社1年くらいがたった頃であろうか。フラスコスケールの研究からいくつか面白い、今までにないような結果が得られており、リッタースケール反応器での試験に進んでいた。

 

 ある程度の量のサンプルが得られ、特異な物性を示す、ということも分かってきた。次に材料としての性能はどうなのか、加工機を使っての材料評価に進みたいと思った。しかし、材料評価をするチームに説明しても、反応は非常に冷たいものであった。

 

「それ、何の役に立つの?」

 

 大学時代に学会で発表すると、上記の質問してくる人がたまにいた。当時は、どうして役に立つ先が決まってる前提なんだクソ、基礎研究は新しいこと・モノを発見し、理由を解明することであって、役立つ立たないのつまらねえ議論で水差すんじゃねえクソ、と思っていた*1

 

 しかしながら、企業の研究開発は当然ながら、違う。役に立たなくてはいけないし、もっと言うと研究成果を通じて、会社に利益をもたらさなくてはならないのだ。この当たり前の視点が、入社当時の意識の高いだけのブログ主には欠けていた。

 

 さらに恐ろしいことに、もうしばらくたつと、上記の意識が部署全体に欠けているように思えてきたのだった。

*1:青臭い考え方であった